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さんごくし

三国志(三)

吉川 英治

線上閱讀吉川 英治《三国志(三)(さんごくし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 312,452 字 · 628 頁

青空文庫

、第3水準1-86-75)県へ兵をすすめて行く孫策は、文字どおり南船北馬の連戦であった。

「小城だが、北方は一帯の沼地だし、後ろは山を負っている。しかも城中の兵は、わずか二千と聞くが、この最後まで踏み止まっている兵なら、おそらく死を決している者どもにちがいない」

孫策は、※(「さんずい+徑のつくり」、第3水準1-86-75)県に着いたが、決して味方の優勢を慢じなかった。

むしろ戒めて、

「みだりに近づくな」と、寄手の勢を遠巻きに配して、おもむろに城中の気はいを探っていた。

「周瑜」

「はっ」

「君に問うが、君が下知するとしたら、この城をどうしておとすかね」

「至難です。多大な犠牲を払う覚悟でなければ」

「君も至難と思うか」

「ただ、わずかに考えられる一つの策は、死を惜しまぬ将一人に、これも決死の壮丁十人を募り、燃えやすい樹脂や油布を担わせて、風の夜、城中へ忍び入り、諸所から火を放つことです」

「忍び入れるだろうか」

「大勢では見つかりましょう」

「でも、あの高い城壁を」

「よじ登るに、法を以てすれば、登れぬことはありません」

「だが――誰をやるか」

「陳武が適任でしょう」

「陳武は、召抱えたばかりの者だし、将来も使えるいい大将だ。