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さんごくし

三国志(三)

吉川 英治

線上閱讀吉川 英治《三国志(三)(さんごくし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 312,452 字 · 628 頁

青空文庫

と、すさまじい語気でいいつけた。

出来合いの平和主義も、意のままにならないので、立ち所に憤怒の本相をあらわす気とみえる。彼が立腹したら何をやりだすか分らない。紀霊も非常に恐れたし、玄徳も息をのんで、

「どうなることか」と、見まもっている。

画桿の大戟は彼の手に渡された。それを引っ抱えながら一座を睨めまわして、呂布はこう云いだした。

「今日、おれが双方を呼んで、和睦しろというのは、おれがいうのじゃない。天が命じているのだ。それに対して、私の心をはさみ、四の五の並べ立てるのは天の命に反くものだぞ」

果然、彼はまだ、厳かな平和主義者の仮面を脱がない。

なに思ったか、呂布は、そういうや、否、ぱっと、閣から走りだして、彼方、轅門のそばまで一息に飛んでゆくと、そこの大地へ、戟を逆しまに突きさして帰って来た。

そしてまた云うには、

「見給え、ここから轅門までのあいだ、ちょうど百五十歩の距離がある」

一同は、彼の指さすところへ眼をやった。なんのために、あんな所へ戟を立てたのか、ただいぶかるばかりだった。

「――そこでだ。あの戟の枝鍔を狙って、ここからおれが一矢射て見せる。