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さんごくし
三国志(三)
吉川 英治
線上閱讀吉川 英治《三国志(三)(さんごくし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 312,452 字 · 628 頁
と諸大将はなお、口を極めて、命乞いをした。
呂布もとうとう我を折って、
「それ程まで、汝らが申すなら、命だけは助けてくれる」といったが、「禁酒令を破った罪は不問に附すわけにはゆかん。百杖を打って、見せしめてくれん」と、直ちに、二人の武士へ、鞭を与えた。
二名の武士は、拝跪したまま動かぬ侯成の背に向って、かわるがわるに、
「一つ……」
「二つ……」
「三つ!」
「四つ!」
と、掛声をかけながら鞭を下し始めた。
たちまち、侯成の衣は破れ、肌が露われた。その肌もみるみるうちに血を噴いて、背なか一面、斑魚の鱗のようにそそけ立った。
「三十!」
「三十一!」
諸大将は、面をそむけた。
侯成は歯ぎしり噛んで、じっとこらえていたが、りゅうりゅうと鳴る杖、掛声が、
「七十五っ」
「七十六っ」
と、数えられてきた頃、ウームと一声うめいて、悶絶してしまった。
呂布はそれを見ると、ぷいと閣の奥へかくれ去った。
諸大将は、武士に眼くばせを与えて、杖の数をとばして読ませた。
やがて、侯成が気がついて、己の身を見まわすと、一室のうちに寝かされて、幕僚の者に看護されていた。――彼は、潸然となみだを流し、苦しげに顔をしかめた。