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さんごくし
三国志(三)
吉川 英治
線上閱讀吉川 英治《三国志(三)(さんごくし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 312,452 字 · 628 頁
「そうだ。ここ久しく戦に忙しく、狩猟に出たこともない。天子を許田の猟に請じて、ひとつ諸人の向背を試してみよう」
急に、彼は思い立った。――即ち犬や鷹の用意をして、兵を城外に調え、自身宮中に入って、帝へ奏上した。
「許田へ行幸あって、親しく臣らと共に狩猟をなされては如何ですか。清澄な好日つづきで、野外の大気もひとしおですが」
帝は、お顔を振って、
「猟へ出よとか。田猟は聖人の楽しみとせぬところ。朕も、それ故に、猟は好まぬ」
「いや、聖人は猟をしないかもしれませんが、いにしえの帝王は、春は肥馬強兵を閲、夏は耕苗を巡視し、秋は湖船をうかべ、冬は狩猟し、四時郊外に出て、民土の風に親しみ、かつは武威を宮外に示したものです。おそれながら、常々、深宮にのみ御座あっては、陛下のご健康もいかがかと、臣らもひそかに案じられてなりません。――かたがた、天下はなはだ多事の折でもあり、陛下のみならず公卿たちも、稀には、大気に触れ、心身を鍛え、宏濶な気を養うことが刻下の急務かと考えられますが」
帝は、拒むお言葉を知らなかった。曹操の実力と強い性格とは、形や言葉でなく、何とはなしに帝を威圧していた。