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さんごくし

三国志(三)

吉川 英治

線上閱讀吉川 英治《三国志(三)(さんごくし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 312,452 字 · 628 頁

青空文庫

から、彼の信望はうすれ、士気は荒び出してきた。

その日城外へ出て、乱軍となったあげく、敗退して、われがちに引きあげ、易京楼の城門をかたく閉じてから、気づいたのである。

(敵のなかに、まだ味方の兵五百余りが退路をたたれて残っている。捨ててはおけまい。援軍を組織して、助けに行け)

またすぐ城門をひらいて、救助に出ようとすると、公孫※(「王+贊」、第3水準1-88-37)は、

(それには及ばん。五百の兵を救うため、千の兵を失い、城門の虚を衝かれて、敵になだれ込まれたら、大損害をうけよう)と、許さなかった。

すると、その後。

袁紹の軍が、城のそばまでおしよせて来たところ、城中の不平分子は、不意にどやどやと城を出て、千人以上も、一かたまりとなって、敵へ降伏してしまった。

降人に出た兵は敵の取調べに対して、

(公孫※(「王+贊」、第3水準1-88-37)は、われわれどもを、貨幣か物のようにしか考えぬ。損得勘定で、五百の生命を見ごろしに敵の中へ捨てた。だから、われわれは彼に、千の損失をかけてやろうと、相談したわけなんで……)と、述べてはばからなかった。

敵へ投降した千だけに止まらず、残った諸軍の士気もその後はどうも冴えない。