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さんごくし
三国志(三)
吉川 英治
線上閱讀吉川 英治《三国志(三)(さんごくし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 312,452 字 · 628 頁
わが主玄徳のごときも、まったく心なく淮南の役にさし向けられ、しかも功は問わず、非のみ責める曹操の非道に、遂に、堪忍をやぶって、今日わたくしを遠く使いせしめるに至ったものでございます。何とぞご賢慮をもって、這般のいきさつを深くご洞察ねがわしゅうぞんじます」
「おそらくそれは真実の言だろう。曹操なる者は、元来がそうした奸才に長けた人間だ。配するにお人よしの玄徳ときては、さもある筈。しかし玄徳は、一面、実直で信義に篤く、自然人望に富むという取柄もあるから、彼が心から悔いているなら救うてやらぬこともないが、一応、評議のうえ返答に及ぶであろう。数日、駅館にて休息しておるがよい」
「何分のおはからいを待ちおりまする。――ついては、べつにこの一通は、日ごろ主人玄徳を、子のごとく愛され、また、無二の信頼をおかけ下されている高士鄭玄より特に託されて参ったご書面にございまする。後にて、ご一見くだしおかれますように」と、その日は退がった。
後で、鄭玄の手紙を見てから、袁紹のこころは大いにうごいた。元々、彼としては、北支四州に満足はしていない。進んで中原に出で、曹操の勢力を一掃するの機会を常にうかがっているのである。