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さんごくし
三国志(三)
吉川 英治
線上閱讀吉川 英治《三国志(三)(さんごくし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 312,452 字 · 628 頁
宮廷では驚いて、その所在をさがすと、前に逃散した賊兵を追いかけて行くと称しながら、楊奉、韓暹の二人が引率して大梁(河南省)の方面へさして行ったということがやっと分った。
「曹操に諮った上で」
帝は朝官たちの評議に先だって、ひとりの侍臣を勅使として、彼の陣へつかわされた。
勅使は、聖旨を体して、曹操の営所へおもむいた。
曹操は、勅使と聞いて、うやうやしく出迎え、礼を終って、ふとその人を見ると、何ともいえない気に打たれた。
「…………」
人品の床しさ。
人格の気高い光――にである。
「これは?」と、彼はその人間を熟視して、恍惚、われを忘れてしまった。
世相の悪いせいか、近年は実に人間の品が下落している。連年の飢饉、人心の荒廃など、自然人々の顔にも反映して、どの顔を見ても、眼はとがり、耳は薄く、唇は腐色を呈し、皮膚は艶やかでない。
或る者は、豺の如く、或る者は魚の骨に人皮を着せた如く、また或る者は鴉に似ている。それが今の人間の顔だった。
「――しかるに、この人は」と、曹操は見とれたのである。
眉目は清秀で、唇は丹く、皮膚は白皙でありながら萎びた日陰の美しさではない。