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さんごくし

三国志(三)

吉川 英治

線上閱讀吉川 英治《三国志(三)(さんごくし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 312,452 字 · 628 頁

青空文庫

「臣、愚考いたしますに、あなたの御子のうち、お一方様を、朝廷の仕官にさし出して、都へ人質として留めおかれたら、曹操も疑うことなく、従って将来、ご家運のほどもいよいよ長久と存じられますが」と、述べた。

気に入らないとみえて、劉表は彼の話なかばから横を向いていたが、突然、

「二心をいだく双股膏薬め。――韓嵩を縛して斬り捨てい!」と、あたりの武士へ命じた。

武士たちは剣に手をかけながらさっと韓嵩のうしろに立った。韓嵩は手を振って叩頭百遍しながら、

「――ですから臣がお使いをうける前に、再三申しあげたではございませんか。わたくしは私の信じることを申しあげるのが、最善の臣道と心得、またお家の為と思っておすすめしたに過ぎません。お用いあるとないとは、あなたのお考え次第のことです」と、陳弁これ努めた。

侍臣の良も、劉表のかたわらにあって共々、彼の言い訳をたすけて、

「韓嵩のいっていることは、少しも詭弁ではありません。彼は都へ立つ前にも、口を酸くして、今のとおりなことを申し述べていました。ですから、都へ行ったため、にわかに豹変したものとも、二心あるものともいえませぬ。