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さんごくし
三国志(三)
吉川 英治
線上閱讀吉川 英治《三国志(三)(さんごくし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 312,452 字 · 628 頁
「それは同感だ。――偽って彼らと交友を結べというか」
「そんな常套手段では、むしろ玄徳に利せられるおそれがあります。それがしの考えているのは、二虎競食の計という策略です」
「二虎競食の計とは」
「たとえば、ここに二匹の猛虎が、おのおの、山月にうそぶいて風雲を待っていると仮定しましょう。二虎、ともに飢えています。よって、これにほかから香ばしい餌を投げ与えてごらんなさい。二虎は猛然、本性をあらわして咬みあいましょう。必ず一虎は仆れ、一虎は勝てりといえども満身痍だらけになります。――かくて二虎の皮を獲ることはきわめて容易となるではございませんか」
「むむ。いかにも」
「――で、劉玄徳は、今徐州を領しているものの、まだ正式に、詔勅をもってゆるされてはおりません、それを餌として、この際、彼に勅を下し、あわせて、密旨を添えて、呂布を殺せと命じるのです」
「あ。なるほど」
「それが、玄徳の手によって完全になされれば、彼は自分の手で、自分の片腕を断ち切ることになり――万一、失敗して、手を焼けば、呂布は怒って、必ずあの暴勇をふるい、玄徳を生かしてはおかないでしょう」
「うむ!」
曹操は、大きくうなずいたのみで、後の談話はもうそのことに触れなかった。