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さんごくし
三国志(三)
吉川 英治
線上閱讀吉川 英治《三国志(三)(さんごくし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 312,452 字 · 628 頁
「許都の曹操から急使が参りました」
「書面か」
「はっ」
「使者をねぎらってやれ」
「はっ」
「書面をこれへ」
袁術は、ひらいて見ていたが、
「近習の者」
「はい」
「即時、城中の紫水閣へ、諸将に集まれと伝えろ」
袁術は気色を変えていた。
城内の武臣文官は、
「何事やらん?」と、ばかりに、蒼惶として、閣に詰め合った。
袁術は、曹操からきた書面を、一名の近習に読み上げさせた。
劉玄徳、天子に奏し
年来の野望を遂げんと
南陽侵略の許しを朝に請う
君と予とは
また、年来の心友
何ぞ黙視し得ん
ひそかに、急を告ぐ
乞う
油断あるなかれ
「聴かれたか。一同」と、次に袁術は声を大にし、面に朱をそそいで罵った。
「玄徳とは何者だっ。つい数年前まで、履を編み蓆を売っていた匹夫ではないか。先頃、みだりに徐州を領して、ひそかに太守と名のり、諸侯と列を同じゅうするさえ奇怪至極と思うていたに、今また、身のほどもわきまえず、この南陽を攻めんと企ておるとか。――天下の見せしめに、すぐ兵を向けて踏みつぶしてしまえ」
令が下ると、
「行けや、徐州へ」と、十万余騎は、その日に南陽の地を立った。
大将は、紀霊将軍だった。
一方、南下して来た玄徳の軍も、道を急いで来たので、両軍は臨淮郡の(安徽省・鳳陽県東方)というところで、果然、衝突した。