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さんごくし

三国志(三)

吉川 英治

線上閱讀吉川 英治《三国志(三)(さんごくし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 312,452 字 · 628 頁

青空文庫

いわんや、総軍のまとまりはつかない。城兵は支離滅裂となった。討たれる者より、討たれぬ前に手をあげて敵へ降服してしまう者のほうが多かった。

「逃げ給え」

「ともあれ一時ここを遁れて――」と、張飛を取り囲んだ味方の部将十八騎が、無理やりに彼を混乱の中から退かせ、東門の一ヵ所をぶち破って、城外へ逃げ走って来た。

「どこへ行くのだっ。――どこへ連れて行くのだ」

張飛は、喚いていた。

まだ酒の気が残っていて、夢でも見ているような心地がしているものとみえる。

すると、後ろから、

「やあ、卑怯だぞ張飛、返せ返せっ」と、百余騎ばかりを従えて、追いかけて来る将があった。

前の恨みをそそがんと、腕ききの兵ばかりを選りすぐって、追いつつみに来た曹豹であった。

「何を」

張飛は、引っ返すや否、その百余騎を枯葉のごとく蹴ちらして、逃げる曹豹を、真二つに斬りさげてしまった。

血は七尺も噴騰して月を黒い霧にかすめた。満身の汗となって、一斗の酒も発散してしまったであろう張飛は、ほっとわが姿を見まわして、

「ああ!」

急に泣きだしたいような顔をした。

母と妻と友

一

呂布は、呂布らしい爪牙をあらわした。