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さんごくし

三国志(三)

吉川 英治

線上閱讀吉川 英治《三国志(三)(さんごくし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 312,452 字 · 628 頁

青空文庫

「敵は、高順の名を聞いただけで逃げ落ちてしまったぞ、なんと笑止なことではないか」

高順は早速、紀霊の陣へ出向いて、紀霊と会見の後で、

「約束のごとく、玄徳の軍を追い落したから、ついては、条件の金銀粮米、馬匹、絹布などの品々を頂戴したい」と、申し出た。

すると紀霊は、

「やあ、それは主人袁術と、ご辺の主君呂布との間で結ばれた条件であろうが、このほうはまだ聞いていない。また聞いていたところで、そんな多額な財貨をそれがし一存でどうしようもない。いずれ帰国の上、主人袁術へ申しあげておくから、尊公もひとまずお帰りあって、何ぶんの返答をお待ちあるがよかろう」と、答えた。

無理もない話なので、高順は、徐州へ立ち帰って、そのとおりに呂布へ復命しておいた。

ところが、その後、袁術から来た書簡をひらいて見ると、

玄徳、今、広陵にひそむ

速やかに彼が首を挙げ、

先に約せる財宝を購え。

価を払わずして、

何ぞ、求むるのみを知るや。

「なんたる無礼な奴だろう。おれを臣下とでも思っているのか、自分のほうから提示した条件なのに、欲しければ、玄徳の首を値に持ってこいと、人を釣るようなこの文言は何事か」