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しんらん
親鸞
吉川 英治
線上閱讀吉川 英治《親鸞(しんらん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 566,138 字 · 1127 頁
どうして、人間というものは、かくも楽しくあるものかと、今の幸福が勿体ないほど、ただ笑いが出る。
「離せ。……歌うてはやろうが、あの田植歌は、昌姫やそなたらのお守り歌ではない。……それ、野良にあって、ああして働いておりましょうが。……あの百姓衆に聞かせてやろうためじゃ」
「でも、お父様、お百姓たちは、みんな大人でしょ、子どもじゃないのに、どうしてお父様が歌をうたってあげるの」と、昌姫はもう、そんな疑いを父にたずねたという。
「なんの」と、親鸞は、この子にも、法の悦びを知る芽が宿れと祈りながら答えた。
「お百姓たちも、この父にとっては、皆、そなたたちと変りないわしの子じゃ。……どれ、きょうも好い日和、わしの可愛い子たちのために外へ出て、田植歌をうたおうか」親鸞が起ちかけると、
「お父さま、昌姫も、連れて行ってくだされ」
「わたしも」と、善鸞と昌姫は、両方から父のたもとにぶら下がった。
二
「そちたちも行くか」と、親鸞は、二人の子に手を引っぱられて、藁草履をはいた。裏方の朝姫も、
「どれ、お父さまのお出まし、お門までお送りしましょうかの」乳のみを抱いて、裏口へ出た。
親鸞は、草庵の裏へ出て、少し歩むと、井戸のそばに草履をぬいで、跣足になった。