輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

しんらん

親鸞

吉川 英治

線上閱讀吉川 英治《親鸞(しんらん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 566,138 字 · 1127 頁

青空文庫

六

「おぬしこそ」二人は、別れ別れに、駈けだした。楊柳の並木が、白い雨に打ち叩かれて、大きく揺れている中を。

六

「雨は、やんだかよ」

「やんだらしいぞ」どこかで、誰か、つぶやいた。

兵燹で、半焼けになったまま、建ち腐れになっている巨きな伽藍である。そこの山門へ駈けこんで雨宿りをしていた砂金売り吉次は、そっと首を出してみた。

町は、もう、たそがれている。濡れた屋根の石が、夕星の光に魚みたいに蒼く光る。どこかで、ぱちぱちと火のハゼる音がするのだった。赤い火光が、山門の裏から映してくる。そこから、がやがやと、

「阿女、何を、うまそうに、さっきから、ぴちゃぴちゃと、嘗っているだ、俺にも、分前をよこせ」

「嫌だよう」

「吝ッたれめ、よこさぬか」

「鶏の骨だに、分けようがないだよ。なあ、菰僧さん」

「鶏を盗んできて、この阿女め一人で腹を肥してくさる」

「その、味噌餅くれれば、鶏の片股をくれてやるだ」

「ふざけるな」

「だって、おら、子持ちだから。他人よりは、腹がすくのは、当りめえだに。……あれっ、嫌だっていうに、傀儡師さんよ、その、鶏の骨、奪り返してくんな」餓鬼のように何か争っているのである。