輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

しんらん

親鸞

吉川 英治

線上閱讀吉川 英治《親鸞(しんらん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 566,138 字 · 1127 頁

青空文庫

十二

ややしばらく唸いているばかりであったが、

「おいっ」いきなり四郎の肩へ手をかけ、揺すぶるようにしていった。

「ど、どうしたんだ一体、その姿は。――毎日、どれほどここでおれは待っていたか知れないぞ。してまた、頼んだことは、突きとめたか」四郎は、にやりと笑って、

「弁円……」

「なんだ」

「おれはもう、神通力を失ってしまった。その代りに、この通り、仏果の功力というものを授かった」

「待てオイ。――貴様はいったい正気か」

「正気だ」

「そんな姿に変ったのは、あの事件の秘密を探るために、吉水禅房の奴らをあざむくための手段にやったのではないのか」

「たれが、嘘や手段に、頭を剃るか。――わしはついきのう、上人のおゆるしを賜わって、岡崎の善信どのの手で得度していただいたのだ」

「得度を」

「おれは初めて、明るいこの世を見た。うれしくて、欣しくて、堪らないのだ。このさわやかな心持を誰に話そう? ……。考えてみると、おれの母も父も、おれを生れぞこないの悪鬼だとばかり嘆いていた。その両親もどうしているやら。……ああ誰かにこの欣びを告げたいがと――そこで貴様のことを思い出してやって来たのだ」