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しんらん

親鸞

吉川 英治

線上閱讀吉川 英治《親鸞(しんらん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 566,138 字 · 1127 頁

青空文庫

三

と、戸の外で言葉をうける。

「さすらいの琵琶法師です」

「ただ今、あけて進ぜよう」戸を開けると、星明りの下に、一面の琵琶を負った盲人が杖ついて佇んでいた。こなたから声をあげぬうちに、

「はての?」盲人は小首をかしげて、

「あなたは、範宴少僧都ではないか」

「おう、加古川の峰阿弥どのか」

「やっぱり範宴どのか」

「今では念仏門の法然上人のもとへ参じて、綽空と名を改めておりますが、仰せのごとく、その範宴です」

「そうそう、そういう噂は疾く聞いていた。……しかし、ご縁があるのじゃのう、なんでも、この辺りに住まわれているとは承っていたが、よもやこの庵が、あなたのお住居とは思わなかったに」

「まず、お上がりなさい」綽空は、取りとめのない雑念から救われたような気がして、峰阿弥の手をとった。松の実を、炉に焚き足して、

「お久しいことでしたな」

「まことに」峰阿弥は、琵琶の革緒を解いて後ろへ置きながら、

「あなたは、ずんとお変りになりましたな。お体も健やかになられた。お心も明るくなった。そして真向きに現在のご信念に坐っておられる。祝着にたえませぬ」と、見えるようなことをいう。

けれど綽空は、この法師のすさまじい「勘」