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しんらん
親鸞
吉川 英治
線上閱讀吉川 英治《親鸞(しんらん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 566,138 字 · 1127 頁
春信佳便
一
と、後ろへ供につれている童のような小男――蜘蛛太を顧みてにやりと笑っていた。
春信佳便
一
他人が窮すれば窮するほど、それを眺めて、おのれの快味に供えるのが、天城四郎の性格である。
まして。
月輪殿へ押しかけて行って見事に苦杯を舐めた彼は、それへ報うに、あだをもってしずにはいない。
あのことがあって間もなく、巷には誰がいい出すともなく、月輪殿に対して、はなはだ好ましくない風説がさかんに凡下どもに取り沙汰されて今や九条のその館は、市人の興味の的になっている。
どんなことかというに、いずれも取るにたらない中傷に過ぎないのであるが、衆口は金をも熔かすたとえに洩れず、それがいかにも秘密箱らしく、また、真をなして語りつたえられているから怖ろしい。
月輪殿の人格へ。末姫の玉日姫へ。その家族へ。
あらゆる嘘を飛ばして中傷の泥を塗るのであった。無論、その出どころは、四郎だった。
年を越えても冬空は蕭殺として灰色の暴威をふるっていた。建仁三年の一月の朝である。
綽空は、その朝――まだ暗いうちに岡崎の草庵を出て、白河のほとりを、いつもならば西へ下るのに、叡山のほうへ真向きに歩いていた。