輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

しんらん

親鸞

吉川 英治

線上閱讀吉川 英治《親鸞(しんらん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 566,138 字 · 1127 頁

青空文庫

離山

一

(行こう!)と決心した。

離山

一

どこに臥し、どこに食を得ていたか、ここ数日の範宴の所在はわからなかったが、あれから叡山へは帰っていないことと、洛内にいたことだけは確実である。

粟田山の樹々は、うっすらと日ごとに春色を加えてきた。黒谷の吉水には、夜さえ明ければ、念仏のこえが聞えやまなかった。信徒の人々の訪れては帰る頻繁な足に、草原でしかなかった野中はいつのまにか繁昌な往来に変っていた。

その人通りの中に範宴のすがたが見出された。

勿論、彼を範宴と知る者はなかった。安居院の法印のように、よほど記憶のよい人か、親しい者でなければ、その笠のうちをのぞいても気がつくまい。

(どこの雲水か)と、振りかえる者もない。

女も老人も、子供も、青年も通る。その階級の多くは元より中流以下の庶民たちであるが、まれには、被衣をした麗人もあり、市女笠の娘を連れた武人らしい人もあった。また、吉水禅房の門前の近くには、待たせてある輦だの輿だのもすえてあった。

範宴は、やがて、大勢の俗衆と共に、そこの聴聞の門をくぐってゆく。法筵へあがる段廊下の下には、たくさんな草履だの、木履だの、草鞋だのが、かたまっている。