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しんらん

親鸞

吉川 英治

線上閱讀吉川 英治《親鸞(しんらん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 566,138 字 · 1127 頁

青空文庫

四

白い花は、梅だった。後ろからそっと近づいて見ると、まだ、四、五歳ぐらいな童子が、梅の老樹の下に坐って余念なく、土いじりをしているのである。

(や?)七郎は、眼をみはった。

童子の前には、童子の手で作られた三体の仏像ができている。まぎれもない弥陀如来のすがただ。もちろん、精巧ではないが、童心即仏心である。どんな名匠の技術でも生むことのできないものがこもっている。

それだけなら七郎はまだそう驚きはしなかったろう。――だが、やがて、童子は、土にまみれた掌をあわせて何か、念誦しはじめた。

その作法なり、態度なりが、いかにも自然で、そして気だかかった。ひら、ひら――と童子のうない髪にちりかかる梅の白さが、何か、燦々と光りものでも降るように七郎の眸には見えた。

(凡人の子ではない)こう感じたので、彼は、気づかれぬうちにと、足をめぐらして、腕白な主人の待ちかまえている輦のほうへ、いそいで、引っ返してきた。

「やい、どうあったぞ?」まるッこい眼をかがやかせて、少年は、輦の上から、片足をぶら下げて、すぐ訊いた。

四

「べつに、面白いことではございません」七郎がいうと、

「でも、なんじゃ」