輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

しんらん

親鸞

吉川 英治

線上閱讀吉川 英治《親鸞(しんらん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 566,138 字 · 1127 頁

青空文庫

二

「樹を伐れ」斧を持っていた手下の者が、

「へい」と飛びだしたが、渓谷である、樹は多い、どれを伐るのかと見まわしていた。

瀬にのぞんだ岩と岩とのあいだに柏樹の喬木が根を張っていた。四郎は指さして、

「そいつを河の方へ、ぶっ倒せ」と命じる。

「そうだ、なるほど」斧をひっさげた二人の者が、根方へ寄って、がつんと刃を入れた。斧の光が丁々と大樹の白い肉片を削って飛ばした。空にそびえている梢と葉が、この兇猛な人間の息にかかって、星のような涙をちらして戦慄する。みりっと、ややそれが、傾ぎかけると、大勢の手が幹の背を押して、

「もう一丁、もう一丁」と斧の努力を鞭撻した。

ぐわあん――と地盤の壊れるような音がして、白い水のはねあがった光が闇をまっ二つに割った。

「しめた」と黒い群れは叫ぶ。

仆れた大樹の梢の先が、ちょうど対岸の岩磐にまでとどいている。四郎のわらう声が高らかに動く影の間を流れた。もう先走った者どもは、架けられた喬木の梢のうえを、四つ這いになって猿のように渡っているのだった。

「あぶねえ、静かに来い」

「ひとつ廻ると、みんな振落されるぞ」

「おッと、どっこい」ひらり、ひらりと十幾つの人影は難なく跳び移った。