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しんらん

親鸞

吉川 英治

線上閱讀吉川 英治《親鸞(しんらん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 566,138 字 · 1127 頁

青空文庫

二

ちょうど松の内の七日である。範宴は、網代牛車を打たせて、青蓮院の僧正のもとへ、これから初春の賀詞をのべにゆこうと思うのであった。

二

供には、いつものように、性善坊と覚明との二人が、車脇についてゆく。

牛飼の童子まで、新しい布直垂を着ていた。

慈円僧正の室には、ちょうど、三、四人の公卿が、これも賀詞の客であろう、来あわせていて、

「御門跡がおいでとあれば――」と、あわてて、辞して帰りかけた。慈円はひきとめて、

「ご遠慮のいる人物ではない。初春でもあれば、まあ、ゆるりとなされ」といった。範宴は、案内について、

「よろしゅうございますか」蔀の下からいった。

「よいとも」僧正は、いつも変らない。

範宴も、ここへ来ては、何かしらくつろいだ気がする。僧正のまえに出た時に限って、童心というものが幾歳になっても人間にはあることを思う。客の朝臣たちは、

「は……。あなたが、聖光院の御門跡で在すか。お若いのう」と、おどろきの眼をみはった。

「おん名はうかがっていたが、もう五十にもとどく齢の方であろうと思っていたが」べつな一人も同じような嘆声を発すると、僧正はそばから、

「はははは、まだ、見たとおりな童子でおざる」