輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

しんらん

親鸞

吉川 英治

線上閱讀吉川 英治《親鸞(しんらん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 566,138 字 · 1127 頁

青空文庫

七

折角、萌えかけた河原の若草も、可憐な花も、すべてその底に没している。ちょうど、彼自身の青春のように。

「もし……。あなたは、範宴少僧都ではありませんか」ふいに誰か、彼の肩をうしろから叩く者があった。人の多い京の往来である。ついに、彼の顔を見知っている者に出会ってしまった。

七

「これは、おめずらしい」と、その人はいった。

範宴は、橋の欄から振向いて、

「お、あなたは」

「ご記憶ですか、安居院の法印聖覚です」

「覚えております」

「意外なところで……」と法印はなつかしそうに眼を細めた。

磯長の聖徳太子の廟に籠って厳寒の一夜を明かした折に、そこの叡福寺に泊っていた一人の法印と出会って、互いに、求法の迷悟と蝉脱の悩みを話しあって別れたのは、もう十年も前のことである。その折の旅の法印が、今も相変らず、一杖一笠の姿で洒脱に眼の前で笑っている。安居院の聖覚なのである。

「しばらくでしたなあ。――いろいろご消息は聞いているが」と、法印は範宴の眉を見つめていった。

「お恥かしい次第です」範宴はさし俯つ向いて、

「磯長の太子廟で、あなたに会った年は、私の十九の冬でした。以来十年、私はなにをしてきたか。