輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

しんらん

親鸞

吉川 英治

線上閱讀吉川 英治《親鸞(しんらん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 566,138 字 · 1127 頁

青空文庫

三

「和子様か」変った彼のすがたに、箭四郎は、洟をすすった。

「お養父様は」

「おかわりもございませぬ」

「朝麿は」

「おげん気で、日にまして、ご成人でございまする」

「わしのこと、問うか」

「はい……。このごろは、やっとすこし、お忘れのようでございますが」

「さびしがっておろうの」範宴は、庭へ下りて、籬に咲いていた白菊を剪った。

「これ、朝麿に、持って行って賜も。――わしの土産に」そういうと、性善坊が、

「よい土産がある。範宴さま、あれを箭四に持たせておつかわしなされてはいかがですか」

三

「おお、ほんに」範宴は、箭四郎の手をとって、

「よいものがある」

「なんでございますか」

「まあ、来てみやい」自分の居間へ伴れて行った。

「あ……」箭四郎は、ぺたんと、部屋のまん中に坐って、一隅にある木彫の坐像にまろい眼をみはった。

それは、得度をうける前の十八公麿のすがたのままであった。頭には、黒髪まで、ふさふさと植えられてあるのである。

「これは、どうしたものでございますな」

「されば」と、性善坊は、側から、その坐像のできた由来を話すのに、つぶさであった。

光斎と、祥雲の二人の仏師は、十八公麿の面ざしを見て、よほど、心をひかれたらしい。