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しんらん

親鸞

吉川 英治

線上閱讀吉川 英治《親鸞(しんらん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 566,138 字 · 1127 頁

青空文庫

十二

青蓮院の僧正の姪にあたる姫の危難を、僧正のお弟子にあたる師の房が救うということは、そもそも、どうしてもただの偶然ではない。仏縁の他のものではない。ありがたい大慈の奉行に勤めさせていただいたものであると、二人は、涙をながさないばかりによろこび合った。

十二

月輪の里まで送って行くつもりであったが、姫を乗せた牛車が四、五町行くと、彼方から一団の焔と人影とが駈けてくるのと出会った。

人々は、手に手に松明をかざしていた。また、太刀だの、長柄だの、弓だのを携えていた。そして此方の牛車を見かけると、

「怪しげな法師、通すな」と取り囲んで騒めいた。性善坊は、疾く察して、

「もしや、おのおのは、月輪殿のお召使ではありませぬか」

「さればじゃが……そういうところを見ると、おぬし達は、姫ぎみの身について、なにか存じているところがあるに相違あるまい。姫は、どうしたか、存じ寄りもあらば教えてくだされい」

「その玉日様ならば、これからお館へお送りしようと考えてこれまで参ったところです。おつつがなく、牛車のうちにおいで遊ばされる」嘘かと疑っているらしく、初めは、そういう性善坊の面を睨みつけていたが、やがて、前後の事情をつぶさに訊かされたうえ、姫のために車を与えて、車の側に歩行しているのは聖光院門跡の範宴であるときかされて、月輪家の人々は、