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しんらん

親鸞

吉川 英治

線上閱讀吉川 英治《親鸞(しんらん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 566,138 字 · 1127 頁

青空文庫

七

「こいつ、胡魔化し言をいうて、このほうを、小馬鹿にいたすな」

「決して」

「じゃあ、嘘か、真か、はっきりといえ」

「いえないものは、いえないではございませんか」まだ、登岳してから、半年も経たない新参なので、性善坊は、できる限り、辞を低く答えてはいるけれど、根が、侍である。公卿の館にはいても、太刀をさしていた人間の根性として、余りに、相手が横柄であったり、人をのんでかかってくると、つい、憤っとするものが、こみあげてくる。

七

「知らぬことはあるまい。いわなければ、ここを通すわけにはいかん」と、妙光房は、くどいのである。立ちはだかって、性善坊を責めていた。

すると、そこの坂道を、降りてきた一人の堂衆が、

「やあ、妙光房」と、声をかけた。

「おお朱王房か」

「何しているのだ」

「何、今ここで、範宴少納言の弟子という性善坊に出会ったから、例のことを、糺しているところだ」

「あの問題か。さりとは、貴公のほうが、よほど迂遠だぞ」

「どうして」

「たった今、一山の諸院と各房へ宛てて、中堂から、触れ状がまわった。――今、それを見てきたが、この月二十八日に、少納言授戒入壇の式を執り行うによって、そのむね、心得ありたしとある」