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しんらん

親鸞

吉川 英治

線上閱讀吉川 英治《親鸞(しんらん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 566,138 字 · 1127 頁

青空文庫

「滅相もない」と、建立奉行の藤木権之助は、恐れるように手を振った。

「畏れながら、かように工事の早く運んだのは、殿のご威光もさることながら、ひとえに上人の徳が人をうながすものと思われます。――御覧じませ、あちらの作事場を――あのように幼い女子供から、髪の白い老人までが、賃銀も求めずに、しかも嬉々として、石を運び、材木の綱を曳いております。なお、この近郷の者ばかりでなく、伽藍建立の噂がつたわると、招かずして、遠国から、無数の信徒が集まってきて、お手伝いをさせて賜われと、これも、慾得なく働いているのでございます。――これには私も、心のうちで、実は驚き入っておりまする」

二

「そうだ……」城主の大内国時はうなずいて、

「わしの国が今、かりに戦いに亡んで、二度ここに下野城を築こうとしても、武力や財力では、この真心を集めることはできない」

「この工事を奉行いたしてから、私も、心から、念仏に帰依いたしました」

「権之助、おまえも、そう考えてきたか」

「あの真心のもとに打つ手斧の音――あの信念そのものの姿で働いている法師たちや門徒の者を見ては」

「そちは、そちの胸にも、たましいの伽藍を建てたのだ」