輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
しんらん
親鸞
吉川 英治
線上閱讀吉川 英治《親鸞(しんらん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 566,138 字 · 1127 頁
命じられるままに、手習が始まった。よしと見て、民部は、ほかの室へ立って行った。
その室には、何もなかった。儒学者の家らしい唐机が一脚と、書物の箱が、隅にあるだけである。
そこの板縁を後ろにして、一人の少年が、さっきから待たされて控えていた。民部は、そこへ何気なく入って行ったが、足をふみ入れるとすぐに、はっと思った。
この学舎には、堀河、京極、五条、烏丸などの、権門の子をはじめ、下は六、七歳から十五、六歳の子弟を預かっていて、民部は今日までずいぶん多くの少年を手にかけてきているが、まだこんな感じを初対面の時にうけた例しはなかった。
(凡の子ではない)すぐ、感じたのである。
永年の体験で、教育者として直感したのではあるが、べつに、その少年の容貌とか、身装とかに変った点があるわけではない。少年は、手を膝にかさねて、入ってきた民部を、ちらと見上げている。そして、すこし後へ退がって両手をつかえた。
良家の子ならば、これくらいな作法は、どこの子弟でも仕込まれている。だのに、民部は、そのあたりまえな動作のうちに、やはり感じるのであった。
(はてな? ……何家の子だろうか。