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しんらん
親鸞
吉川 英治
線上閱讀吉川 英治《親鸞(しんらん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 566,138 字 · 1127 頁
「朱王房、いってみろ」と、いわれて、
「ないこともない――」と、朱王房は、顔を上げた。
「どんなこと?」
「ほかではないが」
「うむ」
「俺のような、一介の末輩がいうのは、おそれ多いとも思ってだまっていたが……。慈円僧正の態度は、三千のわれわれ大衆を無視しているばかりでなく、真言千古の法則を、座主自ら、勝手に紊しているものと、俺は思うのだ。――そんなだらしのないことでは、山の厳粛がたもてるわけのものじゃない。だから吾々の法城は、もう実のところ何の力もないのだ。鴉の番人だというような嘆息が、つい出てしまう……。いい過ぎだろうか」
「座主が、自ら、山の法則を紊したとは、どんなことか」
「誰も、知らないのか」
「知らん」
「じゃ、いうが……。この冬、新座主と共に、登岳した範宴少納言という者を、各※(二の字点、1-2-22)は、見ていないか」
「あの小さい稚僧か」
「そうだ」
「あれなら、よく見かけるが、まるで嬰ん坊じゃないか。未丁年者を、山へ連れてきたということは、ちょっと、碩学の中で、問題になったが、結局、取るにたらん子どものことだし、僧正が青蓮院に在住のころから、お側に侍いていた者でもあるし……と黙認になっているのだから、そのことなら、問題にはならんぜ」