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しんらん
親鸞
吉川 英治
線上閱讀吉川 英治《親鸞(しんらん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 566,138 字 · 1127 頁
「人間の社会というものは、ちょうど春先の野火焼とおなじようなものでございますな。――焼けば焼くほど、後から草が伸びてくる……」と、性善坊は、感心していった。
一見、戦は、急速に社会を進化させるもののように見える。そして、誰一人、ここに生きているものは戦を呪っていなかった。
その代りに、人間は、おそろしく、刹那主義になっていた。平家の治世がすでにそうだったが、一転して、源氏の世になると、なおさら、その信念を徹底してきたかのように、女は、あらん限り美衣をかざり、男は、絶えず、息に酒の香をもって歩いていた。
「――坊んさん」
「お法師さま」六条のお牛場のあたりを、二人は、見まわしていると、かつて、その辺の空地に寝ころんでいた斑ら牛や、牛の糞に群れていた青蠅のすがたは一変して、どこもかしこも、入口の瀟洒な新しい小屋や小館で埋っていた。
店の前を、網代垣でかこんだ家もあるし、朽葉色や浅黄の布を垂れて部屋をかくしている構えもある。また塗塀ふうに、目かくし窓を作って、そこから、呼んでいる女もあるのだった。
「これが、元のお牛場であろうか――」と、範宴も、性善坊も、茫然としてたたずんでしまった。