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しんらん
親鸞
吉川 英治
線上閱讀吉川 英治《親鸞(しんらん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 566,138 字 · 1127 頁
なんで貴様などに、返していいものか」
「渡さぬとあれば――」
「どうする気だっ、坊主」
「こうしてやる」性善坊が、振り込む杖を、天城四郎は、かろく身をひらいて右手につかみながら、
「汝ら、下手なまねをすると、地獄へ遍路に行かせるぞよ」
「だまれっ」杖を、奪いあいながら、性善坊は、全身を瘤のようにして、怒った。
「われらを、ただの僧侶と思うとちがうぞ。これにおわすおん方こそ、六条の三位範綱朝臣の御猶子少納言範宴様。また、自分とてもむかしは、打物とった武家の果てじゃ」
「はははは。それほど、腕立てがしたいならば、四郎の手下にも、ずいぶん、血を見ることの好きなのが大勢いるから、まず、そこいらの男どもと、噛み合ってみるがいい。――おいっ」と、後は後ろにいる八、九名の手下をかえりみて、
「この二人の坊主を、どこかその辺の木へ、裸にして、縛り付けてしまえ」と、いいつけた。
それまで唖のように眼を光らしていた男たちは、おおという声とともに、兇悪な餓狼となって、範宴と性善坊を輪のなかにつつみ、八方から、躍りかかった。
八
範宴が、止めるのもきかず、衆に向ってかかったので、性善坊は、さんざんに打ちのめされてしまった。