輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
しんらん
親鸞
吉川 英治
線上閱讀吉川 英治《親鸞(しんらん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 566,138 字 · 1127 頁
彼もゆるされるならば、万野と一緒に膝をついて泣いてしまいたい。いや、死ねるものなら死んだほうがはるかによいとすら思うのであった。
「もう、お館にも、あのことが知れたのでございます。世間も薄々知ったかもわかりません。姫さまは髪を下ろしても、共にと、仰せられますし……」万野の立場は苦しいものに違いなかった。いずれやがてはと覚悟していたことが余りにはやく足もとへ迫ってきたのだ。自分の行為から起ったこの問題のために苦しんでいる姫と万野とを残して、自分のみが、山へかくれて安心が得られるものだろうか。彼の道徳は自分に対して強く責めずにいられなかった。
と、いってこの聖域へ女人を連れて上るなどということは思いもよらない望みである。叡山の高嶺はおろかなこと、この雲母坂から先は一歩でも女人の踏み入ることは許されない。帝王も犯し得ない千年来の掟として厳然たる俗界との境がここに置かれてある。
四
「姫をつれて、どうか帰ってください」自分を石の如くして、範宴はそういうよりほかなかった。頼むよりほかになかった。充分に、自己の罪と責めは感じながらもである。
しかし万野は、姫をうしろに置いて、容易にそれに従おうとはしなかった。