輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

しんらん

親鸞

吉川 英治

線上閱讀吉川 英治《親鸞(しんらん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 566,138 字 · 1127 頁

青空文庫

溜り水に道をつけ、鍬で土を掘っては、一本一本、樹の姿勢を元のように起しているのだった。

その僧だけは、初めは、むッつりと汗と泥にまみれて黙っていたが、いつか他の人々の唱名につりこまれて、やはり、念仏をとなえながら鍬をふるっていた。

屋根のうえからふとその男を見て綽空は、あっと、意外らしい声をもらした。

気がついたのであろう、鍬をやすめて、下の僧も屋根を仰いだ。そして、

「…………」何もいわずに、ただ、にこと笑った。以前の弟子の覚明なのである。

すると、綽空のそばにいた熊谷蓮生が、

「おう、太夫房」と、これは久しい前からの知り人らしく、屋根の上から声をかけた。

四

熊谷蓮生の毛脛が、屋根から梯子を伝わって降りてきた。

下にいた覚明は、泥を浴びた顔に笑みをたたえながら、鍬をそこに抛って、

「やあ」と、懐かしげに近づいてきていった。

「久しぶりだ、実に何年目だろう」

「十七、八年になる」熊谷蓮生も手を伸べて、旧友の手をにぎりしめる。

「貴公と初めて会ったのは、寿永の年か」

「いや、治承四年だ」

「貴公たちは、木曾義仲の幕下として、京師に入り、われらは、頼朝公の東国兵と共に、平家の本拠をついて都へなだれ入った。