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しんらん
親鸞
吉川 英治
線上閱讀吉川 英治《親鸞(しんらん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 566,138 字 · 1127 頁
――どうぞ。と、豪奢をこらした城内の一室へ迎え入れたのです。多くの、後宮の女には、粉黛をさせ、珠をかざらせ、楽を奏し、盤には、山海の珍味を盛って。
仏は、たのしまない顔つきでした。食物も多くは摂りません。さらに、夜に入ると、王子勇軍は、不夜の楼殿に百石の油を燈して、歓楽、暁を知らないありさまです。
彼と、彼をめぐる後宮の女性たちの生活をながめて、仏は、翌日、弟子の阿難を招いて、こう告げたのであります」
「…………」松虫と鈴虫の二人は、自分のことでも話されているように、じっと、上人のほうへ眸を向けていた。
もちろん、上人の眸は、彼女たちがそこにあるとも無いとも知ろうはずはない。――ただここに集まっている衆生とひろい実社会の現状だけが、彼の対象であった。
二
やさしい、わかりよい、そして自分たちの生活に近い話なので、松虫と鈴虫の二人だけに限らず聴法の人々は、聞き入っていた。
「――阿難に向って仏は、
阿難、おまえは、この城の人間たちをどう見るか。
こう問われたことでした。
――浅ましいと思います。
阿難の答えに、仏はまだ、不満であったのでしょうか。こう仰せられたのです。