輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

しんらん

親鸞

吉川 英治

線上閱讀吉川 英治《親鸞(しんらん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 566,138 字 · 1127 頁

青空文庫

「あれは鹿だよ、それ、いつかこの峰で、捕まえた白毛の鹿が、廻廊へあがって、何かいたずらしておるのじゃ」

「そうかしら」しかし、またしばらくすると、こんどは二人のいる庵室のすぐ外に跫音がして、そこを叩く者があった。

「もしもし……」初めて、二人は、

「や? どなたじゃ」

「ここをお開けくださいまし。お願いがあって来た者でござりまする」女性の声なので、いよいよ怪しみながら、

「どちらから?」ためらって、こう訊くと、

「お目にかかってからお話しいたしまする。私たちは、御所のうちから来た者でございますが」

「え。――御所から?」住蓮は、あわてて、そこの戸を開けた。

三

二尺ほど開けた戸の隙から、霰を持って山風がふきこんで、庵室のうちは、炉の赤い炎に、大きく明滅を描いた。

「あっ? ……」鮮やかに二つの白い顔が見えた。あまりにも、この冬の夜や、世を離れた庵室に、ふさわしくない女性たちである。

(閉めようか)住蓮は、ふと、一瞬にそう惑った。――何か怖ろしい悪魔でも見うけたように慄きが背を走った。

「どなたじゃ? ……あなたがたは」そういう声までが、われ知らず、尖っていた。

「おわすれでございましたか――」