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しんらん

親鸞

吉川 英治

線上閱讀吉川 英治《親鸞(しんらん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 566,138 字 · 1127 頁

青空文庫

……ところが近ごろは、この四郎も、見たとおり尾羽打ち枯らしての不景気だ。何と弁円、知っているなら、松虫と鈴虫のありかでもおれに教えてくれねえか」

「はははは、そいつあ、あべこべだ。おれのほうこそ、訊きたいところだ」

三

「弁円、山伏のおめえにも、やはり慾はあるんだな」

「ばかをいえ」

「でも、松虫と鈴虫のありかを知りたがっているのは、いわずとも知れている、恩賞の金にありつこうというのだろう」天城四郎は、そういうことを愉快がる男だった。自分の悪魔主義を肯定してよろこぶのである。

「ちがう」弁円は、首を振って、

「おれは、知行だの金だの、そんな物は要らん」

「じゃあ何のために――」

「善信の奴に、痛い目を見せてやるためだ、復讐の一つとなるためだ」

「はてね?」解せない顔をして、四郎は、きのうあたり剃ったばかりらしい青い頬から腮をなでた。

「はてなあ……」

「わからぬか」

「分らぬよ」

「おれの想像だが……しかしこの想像は外れていないつもりだ。――松虫と鈴虫のふたりは、きっと、吉水の法然上人の所にかくれていると思うのだ」

「えっ、吉水に」

「さればよ」

「どうして」

「――いや、確証はない。