輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
しんらん
親鸞
吉川 英治
線上閱讀吉川 英治《親鸞(しんらん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 566,138 字 · 1127 頁
それだけは、獄吏の情けであったとみえる。二人とも、法衣だけは着ていた。そして、数珠も持っていた。
(遺言は)と刑吏が聞いてやったのであろう、住蓮も安楽房も、
(…………)静かに首を横に振った。
カラカラと矢来の竹の先が寒風にふるえて鳴った、しいんと一瞬天地は灰色に凍っていた。すると一声、安楽房の口から、「南無阿弥陀仏!」はっと、刑吏はあわてて、刀を斜めに振り落した。住蓮も、念仏をとなえた。しかし、二声という間がなかった。見るまに、二箇の死骸から血しおが蚯蚓のように河原を走って、加茂川へひろがった、草も石もみな赤く染めるかと思うほどひろがって行った。
群集はわれを忘れて、
「なむあみだ仏……」もうそれは停めようとしても停まらない声であった。十人や百人が唱えるのではない、あらゆる民衆の口からついて出るのである。獄吏や役人たちは、苦々しい顔をしたが、どうすることもできなかった。
*
「――たいへんでございます、鹿ヶ谷から四里ほど奥の小屋のうちで、若い尼様が二人、自害して死んでおります」猟師の駈け込み訴えに、
「それこそ、松虫と鈴虫の局」役人はすぐ、如意ヶ岳へ分け入った。