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しんらん

親鸞

吉川 英治

線上閱讀吉川 英治《親鸞(しんらん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 566,138 字 · 1127 頁

青空文庫

白い髪が、綿のように伸び、顎にも、伸びた髯が光ってみえる。それへ、梨子地の烏帽子をかむり、領送使のすすめる輿のうえに身をまかせた。輿へ移る前、

「月輪どの」と、法然は、自分を取り囲んで今朝を見送る人々のうちに、老公のすがたを探していた。

三

「ここに――」と、月輪の老公は、混みあう人々の間から、上人の前へすすんで出た。

「おお」と、さすがに法然もその人のすがたを見ると、名残が惜しまれて、しばらく、老眼にうるみをたたえ、

「おわかれが参った」と、いった。

「…………」老公は、無言だった。いわぬはいうにまさる悲しみだった。

「永い間、月輪どのには、陰に陽に、念仏門のために、一方ならぬお力を貸して賜われた。偏に仏陀と衆生のためとは申せ、浅からぬご法縁、たとえ法然、遠国に朽ち果てようとも、ご高誼のほどは忘れませぬぞ」と、法然は、老公の手をとっていった。――そしてまた、

「善信が出立も、卯の刻の由に承る。もう時刻もやがてに迫っておろう。くれぐれも、身をいとうように仰せ伝え賜われ。――同時に、法然が身には、仏の御加護あれば、必ず、案じるに及ばぬことをも」

「承りました」

「では」