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さんごくし
三国志(一)
吉川 英治
線上閱讀吉川 英治《三国志(一)(さんごくし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 309,839 字 · 622 頁
五
私は、その盧植先生について、初めて文を学び、兵法を説き教えられたのです。その後先生はどうしたかと、時おり、思い出すのでしたが、近頃うわさに聞けば、盧植先生は官に仕えて、中郎将に任ぜられ、今では勅令をうけて、遠く広宗(山東省)の野に戦っていると聞きます。――しかしそこの賊徒は、黄匪の首領張角将軍直属の正規兵だということですから、さだめしご苦戦と察しられるので、これから行って、師弟の旧恩、いささかご加勢してあげたいと思うのです」と、心のうちをもらした。
そして、自分はこれから、広宗の征野へ、旧師の軍を援けにおもむくから、幽州の城下へ帰ったら、どうか、その旨を、悪しからず太守へお伝えねがいたいと、伝言を頼んだ。
もとより義軍であるから、鄒靖も引止めはしない。
「しからば、貴下の手勢のみ率いて、兵糧そのほかの賄、心のままにし給え」
と、武人らしく、あっさりいって別れた。
五
討匪将軍の印綬をおびて、遠く洛陽の王府から、黄河口の広宗の野に下り、五万の官軍を率いて軍務についていた中郎将盧植は、
「なに。劉備玄徳という者がわしを訪ねてきたと? ……はてな、劉、玄徳、誰だろう」