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さんごくし
三国志(一)
吉川 英治
線上閱讀吉川 英治《三国志(一)(さんごくし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 309,839 字 · 622 頁
五
そして再拝しながら起ちかけると、張飛は、
「だからおれがいわぬことじゃない」と、ぶつぶついった。
「彼奴が黄巾賊の討伐に南下していた頃、潁川の陣営で、おれが董卓を殺そうとしたのに、兄貴たちが止めたものだから、今日こんなことになってしまった。――あの折、おれに董卓を殺させてくれれば、今の乱は、起らなかったわけだ」
玄徳は、聞き咎めて、
「張飛。何を無用なたわ言をいっているか。早々、軍の後方につくがよい」
と、叱った。そして自身もわざと、中軍より後の列に加わり共に曹操の大計画に参加したのであった。
五
かくて――
曹操の計画は、今やまったく確立したといってよい。
布陣、作戦すべて成った。
会合の諸侯十八ヵ国。兵力数十万。第一鎮より第十七鎮まで備えならべた陣地は、二百余里につづくと称せられた。
吉日を卜して、曹操は、壇を築き、牛を斬り馬を屠って祭り、
「われらここに起つ!」
と、旗挙げの式を執り行った。
その式場で、諸将から、
「今、義兵を興し、逆賊を討たんとする。よろしく三軍の盟主を立て、総軍の首将といただいて、われら命をうくべし」と、いう発議が出た。
「然るべし」