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さんごくし

三国志(一)

吉川 英治

線上閱讀吉川 英治《三国志(一)(さんごくし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 309,839 字 · 622 頁

青空文庫

三国志

三国志は、いうまでもなく、今から約千八百年前の古典であるが、三国志の中に活躍している登場人物は、現在でも中国大陸の至る所にそのまま居るような気がする。――中国大陸へ行って、そこの雑多な庶民や要人などに接し、特に親しんでみると、三国志の中に出て来る人物の誰かしらときっと似ている。或いは、共通したものを感じる場合がしばしばある。

だから、現代の中国大陸には、三国志時代の治乱興亡がそのままあるし、作中の人物も、文化や姿こそ変っているが、なお、今日にも生きているといっても過言でない。

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三国志には、詩がある。

単に尨大な治乱興亡を記述した戦記軍談の類でない所に、東洋人の血を大きく搏つ一種の諧調と音楽と色彩とがある。

三国志から詩を除いてしまったら、世界的といわれる大構想の価値もよほど無味乾燥なものになろう。

故に、三国志は、強いて簡略にしたり抄訳したものでは、大事な詩味も逸してしまうし、もっと重要な人の胸底を搏つものを失くしてしまうおそれがある。

で私は、簡訳や抄略をあえてせずに、長篇執筆に適当な新聞小説にこれを試みた。そして劉玄徳とか、曹操とか関羽、張飛そのほか、主要人物などには、自分の解釈や創意をも加えて書いた。