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さんごくし
三国志(一)
吉川 英治
線上閱讀吉川 英治《三国志(一)(さんごくし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 309,839 字 · 622 頁
六
行われたのであった。
もちろん。
呂布もいち早く、掘りあばいた帝王陵の坑を無数に残して、蜂のごとく、長安へ飛び去っていた。
六
当時、寄手の北上軍のほうでも、ここ二、三日、何となく敵方の動静に、不審を抱いていた。
折から、諜報が入ったので、
「すわや」と色めき、
「一挙に占れ」とばかり、国々の諸侯は、われがちに軍をうごかし、水関へは、孫堅軍が先の雪辱をとげて一番に馳け入り、虎牢関の方面では、公孫の軍勢に打ちまじって、玄徳、関羽、張飛の義兄弟が第一番に踏みのぼり、関頭に立って名乗りをあげた。
「おお、焼けている!」
「洛陽は火の海だ」
そこに立てば、すでに関中は指呼することができる。
渺茫三百余里が間、地をおおうものはただ黒煙だった。天を焦すものは炎の柱だった。
――これがこの世の天地か。
一瞬、その悽愴さに打たれたが、いずれも入城の先頭をいそいで、十八ヵ国の兵は急潮のごとく馳け、前後して洛中へ溢れ入った。
孫堅は、馬をとばして、まず先に市中の巡回を開始し、惨たる灰燼に、そぞろ涙を催したが、熱風の裡から声を励まして、
「火を消せ。消火につとめろ、財物を私するな、逃げおくれた老幼は保護してやれ、宮門の焼け址へ歩哨を配置せい!」