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さんごくし

三国志(一)

吉川 英治

線上閱讀吉川 英治《三国志(一)(さんごくし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 309,839 字 · 622 頁

青空文庫

四

朝雲の晴れ渡った下にひるがえる旗幟を望めば、それはまぎれもなく※(「螢」の「虫」に代えて「水」、第3水準1-87-2)陽城の太守徐栄の精鋭だった。

「あれに見つかっては」と、曹洪は、気も顛動せんばかりにあわてた。矢ばしりの中も今は恐れていられなかった。剣を舞わして、矢を縦横に薙ぎ払いながら馳け出した。

曹操も、矢を払った。二人か一人か、それは遠目には分らないほど、相擁しながら馳けたのである。

丘の上の隊も、河に沿って来た一群の軍勢も、曹操兄弟が矢風の中を凌いで馳け出した影を見ると、

「さては、名のある敵にちがいないぞ。逃がすな」

と、たちまち砂塵をあげて、東西から追いちぢめ、そのうち一小隊は、早くも先へ馳け抜けて、二人の前をも立ちふさいでしまった。

四

丘から射放つ矢は集まってくる。

止まるも死、進むも死だった。

一難、また一難。死はあくまで曹操をとらえなければ止まないかに見えた。

「この上は、敵の屍を山と積み、曹家の兄弟が最期として、人に笑われぬ死に方をして見せましょう。兄上も、お覚悟ください」

曹洪も、ついに決心した。

そして兄曹操と共に、剣をふりかざして、敵の中へ斬りこんだ。