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さんごくし
三国志(一)
吉川 英治
線上閱讀吉川 英治《三国志(一)(さんごくし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 309,839 字 · 622 頁
珠
一
珠
一
――一方。
洛陽の焦土に残った諸侯たちの動静はどうかというに。
ここはまだ濛々と余燼のけむりに満ちている。
七日七夜も焼けつづけたが、なお大地は冷めなかった。
諸侯の兵は、思い思いに陣取って消火に努めていたが、総帥袁紹の本営でも、旧朝廷の建章殿の辺りを本陣として、内裏の灰を掻かせたり、掘りちらされた宗廟に、早速、仮小屋にひとしい宮を建てさせたりして、日夜、戦後の始末に忙殺されていた。
「仮宮も出来あがったから、とりあえず、太牢を供えて、宗廟の祭を営もう」
袁紹は、諸侯の陣へ、使いを派して、参列を求めた。
いと粗末ではあったが、形ばかりの祭事を行って後、諸侯は連れ立って、今は面影もなくなり果てた禁門の遠方此方を、感慨に打たれながら見廻った。
そこへ、
「陽の山地で、曹操の軍は、敵のため殲滅的な敗北をとげ、曹操はわずかな旗下に守られて河内へ落ちて行った――」
という報らせが入った。
諸侯は、顔見合わせて、
「あの曹操が……」とのみで、多くを語らなかったが、袁紹は、
「それ見たことか」と、聞えよがしにいった。
そしてまた、
「董卓が洛陽を捨てたのは、李儒の献策で、余力をもちながら、自ら先んじて、都府を抛擲したものだ。