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さんごくし
三国志(一)
吉川 英治
線上閱讀吉川 英治《三国志(一)(さんごくし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 309,839 字 · 622 頁
五
それともなお、この雲長を怪しみ、それがしの言葉を疑うならば、ぜひもない、縄を解いて、この猛虎を、諸公の中へ放つが、どうだ」
いうと、捕吏も兵も、逃げ足早く、物もいわず皆、退却してしまった。
五
誰もいなくなると、雲長はすぐ張飛の縄を解いて、
「よく俺を信じて、神妙にしていてくれた。事なく助ける策謀のためとはいえ、貴様を手にかけた罪はゆるしてくれ」
詫びると、張飛も、
「それどころではない。また無益の殺生を重ねるところを、尊兄のお蔭で助かった」と、今朝のむかっ腹もわすれて、いつになく、素直に謝った。そして、「――だが雲長。その身なりは一体、どうしたことか。俺を助けにくるためにしては、余りに物々しい装いではないか」
怪しんで問うと、
「張飛。なにをとぼけたことをいう。それでは昨夜、あんなに熱をこめて、時節到来だ、良き盟友をえた、いざ、かねての約束を、実行にかかろうといったのは、嘘だったのか」
「嘘ではないが、大体、尊兄が不賛成だったろう。俺のいうこと何ひとつ、信じてくれなかったじゃないか」
「それは、あの場のことだ。召使いもいる、女どももいる。貴様のはなしは、秘密秘密といいながら、あの大声だ。