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さんごくし
三国志(一)
吉川 英治
線上閱讀吉川 英治《三国志(一)(さんごくし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 309,839 字 · 622 頁
六
と、曹操は叱りつけた。
そしてまた、部将や兵に、
「貴様たちには、およそ人間を観る目がないな。士を遇する情けもない奴だ。――はやくその縄を解いてやれ」と、案外な言葉であった。
それもその筈。曹操はこの許※(「ころもへん+睹のつくり」、第3水準1-91-82)と悪来とが、火華をちらして夕方に迫るまで闘っていた一昨日の有様を、とくと実見していたので、心のうちに(これはよい壮士を見出した)と早くも、自分の幕下へ加えようと、目算を立てていたからであった。
曹操から、俺の敵と睨まれたら助からないが、反対に彼が、この男はと見込むと、その寵遇は、どこの将軍にも劣らなかった。
彼は、士を愛することも知っていたが、憎むとなると、憎悪も人一倍強かった。――許※(「ころもへん+睹のつくり」、第3水準1-91-82)の場合は、一目見た時から、愉快なやつと惚れこんで、(殺すのは惜しい。何とかして、臣下に加えたいが)と、考えていたものだった。
「彼に席を与えろ」
と、曹操は、引っ立てて来た部下に命じ、自ら寄って、許※(「ころもへん+睹のつくり」、第3水準1-91-82)の縄目を解いてやった。