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さんごくし
三国志(一)
吉川 英治
線上閱讀吉川 英治《三国志(一)(さんごくし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 309,839 字 · 622 頁
八
「そもこの精鋭を統べる将はいかなる人物か」を、それだけでも思わすに足るものだった。
見てあれば。
その隊伍の真っ先に、旗手、鼓手の兵を立て、続いてすぐ後から、一頭の青驪にまたがって、威風あたりを払ってくる人がある。
これなんその一軍の大将であろう。広額、濶面、唇は丹のようで、眉は峨眉山の半月のごとく高くして鋭い。熊腰にして虎態、いわゆる威あって猛からず、見るからに大人の風を備えている。
「誰かな?」
「誰なのやら」
関羽も張飛も、見まもっていたが、ほどなく陣門の衛将が、名を糺すに答える声が、遠くながら聞えてきた。
「これは呉郡富春(浙江省・富陽市)の産で、孫堅、字は文台という者です。古の孫子が末葉であります。官は下の丞ですが、このたび王軍、黄巾の賊徒を諸州に討つと承って、手飼いの兵千五百を率い、いささか年来の恩沢にむくゆべく、官軍のお味方たらんとして馳せ参じた者であります。――朱雋将軍へよろしくお取次を乞う」
堂々たる態度であった。
また、音吐も朗々と聞えた。
「…………」
関羽と張飛は、顔を見合わせた。先には、潁川の野で、曹操を見、今ここにまた、孫堅という一人物を見て、