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さんごくし
三国志(一)
吉川 英治
線上閱讀吉川 英治《三国志(一)(さんごくし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 309,839 字 · 622 頁
三
「残念でたまらない。雲長めは、そういって疑うのだ。……ご足労だが、貴公、これから拙者と共に、彼の住居まで行ってくれまいか。貴公という人間を見せたら、彼も恐らくこの張飛の言を信じるだろうと思うから――」
三
張飛は、疑いが嫌いだ。疑われることはなお嫌いだ。雲長が、自分の言を信じてくれないのが、心外でならないのである。
だから劉備を連れて行って、その人物を実際に示してやろう――こう考えたのも張飛らしい考えであった。
しかし、劉備は、「……さあ?」と、いって、考えこんだ。
信じない者へ、強いて、自己を押しつけて、信じろというのも、好ましくないとする風だった。
すると、廊のほうから、
「劉備。行っておいでなさい」
彼の母がいった。
母は、やはり心配になるとみえて、彼方で張飛のはなしを聞いていたものとみえる。
もっとも、張飛の声は、この家の中なら、どこにいても聞えるほど大きかった。
「やあ、お許し下さるか。母公のおゆるしが出たからには、劉君、何もためらうことはあるまい」
促すと、母も共に、「時機というものは、その時をのがしたら、またいつ巡ってくるか知れないものです。