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さんごくし

三国志(一)

吉川 英治

線上閱讀吉川 英治《三国志(一)(さんごくし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 309,839 字 · 622 頁

青空文庫

二

「すわ、大事」と、勅使の名におそれ、また、督郵の詭弁にも、うまく乗せられて、八方へ物見を走らせ、玄徳たちの落ちていった先を探させた。

数日の後。

「何者とも知れず、安喜県のほうから代州(山西省・代県)のほうへ向って、驢車に家財を積み、十数名の従者をつれ、そのうち三名は、驢に乗った浪人風の人物で、北へ北へとさして行ったということでありますが」

との報告があった。

「それこそ、玄徳であろう。からめ捕って、都へ差立てろ」

定州の太守の命をうけて、即座に鉄甲の迅兵約二百、ふた手にわかれて、玄徳らの一行を追いかけた。

二

北へ、北へ、車馬と落ち行く人々の影はいそいだ。

幾度か、他州の兵に襲われ、幾度か追手の詭計に墜ちかかり、百難をこえ、ようやくにして代州の五台山下までたどりついた。

「張飛。御身の指図で、ここまではやって来たが何か落着く先の目的はあるのか。――ここはもう、五台山の麓だが」

関羽もいうし、玄徳も、実は案じていたらしく、

「いったい、これからどこへ落着こうという考えか」と、共々に訊ねた。

「ご安心なさるがよい」

張飛は大のみこみで云った。そして岳麓の平和そうな村へ行き着くと、