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さんごくし
三国志(一)
吉川 英治
線上閱讀吉川 英治《三国志(一)(さんごくし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 309,839 字 · 622 頁
三
「なに、わしを貴邸へ招いてくれるというのか。それは近頃、歓ばしいことである。卿は国家の元老、特にこの董卓を招かるるに、なんで芳志にそむこう」
と、非常な喜色で、
「――ぜひ、明日行こう」と、諾した。
「お待ちいたします」
王允は、家に帰ると、この由を、ひそかに貂蝉にささやき、また家人にも、
「明日は巳の刻に、董太師がお越しになる。一家の名誉だし、わし一代のお客だ。必ず粗相のないように」と、督して、地には青砂をしき、床には錦繍をのべ、正堂の内外には、帳や幕をめぐらし、家宝の珍什を出して、饗応の善美をこらしていた。
次の日。――やがて巳の刻に至ると、
「大賓のお車が見えました」と、家僕が内へ報じる。
王允は、朝服をまとって、すぐ門外へ出迎えた。
――見れば、太師董卓の車は、戟を持った数百名の衛兵にかこまれ、行装の絢爛は、天子の儀仗もあざむくばかりで、車簾を出ると、たちまち、侍臣、秘書、幕側の力者などに、左右前後を護られて、佩環のひびき玉沓の音、簇擁して門内へ入った。
「ようおいでを賜わりました。きょうはわが王家の棟に、紫雲の降りたような光栄を覚えまする」
王允は、董太師を、高座に迎えて、最大の礼を尽した。