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さんごくし

三国志(一)

吉川 英治

線上閱讀吉川 英治《三国志(一)(さんごくし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 309,839 字 · 622 頁

青空文庫

二

で、一部を※(「さんずい+巳」、第3水準1-86-50)水関に残し、あとの軍勢は挙げて、虎牢関に向うこととなった。総兵力は八ヵ国といわれ、その八諸侯は、王匡、鮑信、喬瑁、袁遺、孔融、張楊、陶謙、公孫※(「王+贊」、第3水準1-88-37)などであった。

曹操は、遊軍として臨んだ。味方の崩れや弱みを見たら、随意に、そこへ加勢すべく、遊兵の一陣を擁して、控えていた。

「……来たな」と、北軍の呂布は、例の名馬赤兎にまたがり、虎牢関の前衛軍のうちから、悠々、寄手の備えをながめていた。

呂布、その日のいでたちは。

朱地錦の百花戦袍を着たうえに、連環の鎧を着かさね、髪は三叉に束ね、紫金冠をいただき、獅子皮の帯に弓箭をかけ、手に大きな方天戟をひっさげて、赤兎馬も小さく見えるばかり踏みまたがった容子は――寄手の大軍を圧して、

「あれこそ、呂布か」と、眼をみはらせるばかりだった。

二

そのうちに寄手の陣頭から、河内の太守王匡、その部下の猛将方悦と共に、

「呂布を討って取れ」

と、呼ばわりながら、河内の強兵をすぐって、呂布の軍へ迫った。

敵が打鳴らす鼓の轟きを耳にしながら、